戯曲演奏計画2015

 戯曲演奏計画に、今年はかしやま組として参加しました。
(皆様お疲れ様でした。忙しいから参加しないとか言ってたくせに結局参加してすみません)
(ご来場頂いた方、ありがとうございました)
 今回、かしやま組では、「戯曲を演奏する、とは?」にフォーカスを絞った内容で作品を組み上げていきました。

 以下は、参加してみて思った事や、やったことを個人的な視点から書いたものです。
 全体の総意ではないですし、かしやまさんはもしかしたら違うことを考えているかも知れません。
 あくまで「音楽担当から見た今回の戯曲演奏計画かしやま組って、こんなの!」という内容である事をご留意ください。

  戯曲を演奏する、というにあたって、「音楽を物語の中に組み込む」というだけでは、戯曲を演奏していることにはならないのでは?というのが出発点だったよ うに思います。もちろん、戯曲演奏計画というのは、「戯曲を演奏するとはどういうことか、というのを考える会」ではないので、必ずしもそのようにする必要 はないのですが、今回は一つ指針として、そのような方向をかしやま組は向いていました。

 まず、台本の時点で普通の演劇や朗読と異なる主な点は以下の2つだったように思います。
役者が演技をしない
本来ならト書きに当たる部分が役者のセリフに含まれている
 かしやまさんはこの戯曲を、台本や演劇ではなく、「朗読と音楽によってイメージを立ち上げることの出来る楽譜のようなもの」として書いたのだと僕は思っています。
 その結果、演奏される音楽+朗読される戯曲のセッションのような形態になりました。
 僕は台本を楽譜のように追いかけて即興的に音を鳴らし、役者はその音を注意深く聴ききながら朗読をしました。
 舞台上には舞台装置が用意されていて、そこで実際に普通の演劇を行う事も出来たのですが、あえて音と声だけで表現する事によって、より各々の中に、強いイメージを想起させられるのではないか、という試みでもあったと思います。
 試みが成功したかどうかはわかりませんが、特に夜の公演では個人的になんだか良い手応えを感じました。
 

 では、音楽担当が実際に何をやっていたかを書いていこうと思います。主に技術的な事やどんな事を考えていたかを中心に。

 まず、機材ですが、mac book proとmicro key、nano controlのみでした。
 ソフトはmaxとkontakt、その他基本的なVST(EQやReverbなど)

 空気感を表現するために、安直ですが、コントロールしやすいノイズを生成する部分が必要だろうと思ったので、まずそこを作りました。

  画像も載せましたが、waveファイルを少しずらして4回同時に再生し、再生スピードをそれぞれつまみでコントロール出来るようにしたものです。特に何も 考えずに適当に作ったのですが、音程がコントロールしやすい事と、読み込ませるノイズによってはそこそこイメージに近い効果を得ることが出来たので、これ を4個用意して、それぞれにノイズを読み込ませて使用しました。ボリュームと音程感はnano Controlの1番~4番にアサインしています。
 この部分で、タバコの煙や花粉、空なんかを表現したりしました。(これ自分で言うの本当に恥ずかしいな、なんか…表現しましたって…)

 次に、春の大学生達や彼らを含めた空気感を表現するために、継続して鳴り続けるそれぞれの音を作りました。
こ れまた仕組みとしては非常に簡単で、、決まったスケール内の音がランダムに鳴るだけ、なのですが、その鳴る確率(頻度)とヴェロシティをフェーダによって コントロール出来るようにしてあります。(2枚目と3枚目です。2枚目は3枚目の中の「ran」というサブパッチの中身です)
 これを、4つ作り、フルートの高音、低音、Stringsの高音、低音をそれぞれフェーダを4つ使って割り当てました。
 具体的には、朝子が出てくるとフルートの高音を鳴らして、主張するところは低音を足して、同様に葵が出てくる時にはストリングスを鳴らして、後藤が出てくる時にはギターの音色でキーボードを弾く、という感じに展開とダイナミクスを作りました。
 常にReverbを全体にかなり深めにかけて空気感を作って、ドアが開く時にはリバーブタイムを変えて空気を揺らして…という風に、かなりシステマティックに、台本を完全に楽譜のように捉えて音を鳴らしていたつもりです。
 キーボードで調を変えられるようにしたので、ありがちな感じで順番に転調していって最後に主調に戻る、みたいな事もやりましたが、イージーですがやっぱりあれはなかなか効果的だなぁとも思いました。

 こんな風にリアルタイムに音を作りながら劇伴をしたのは前回のまにまにを含めて2回目なのですが、かしやまさんがかなり自由にやらせてくれるので、とても楽しかったです。
 またこういう事が出来る機会があると良いな~と思いま し た。

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